東京オペラ協会 オペレッタ「こうもり」


サンパール荒川(東京都荒川区)にて公演しました。

2008年のオペラ「第九交響曲」で副指揮を、2009年のユニバーサルデザインオペラ「魔笛」にいたってはオペラを指揮するという謎い奇跡的な体験をさせていただきましたこのオペラ協会、実は今回で管弦楽団が解散になるってことで、いわば卒業式公演なのでした。

俺はライブラリアンとしての作業もあったのですけど、これがもうほんと大変。オペラって上演に何時間かかかったりするんですけど、つまりその分楽譜の量もハンパなくて、それらに不備がないかどうか、スコアとの整合性が取れているかどうか……これらのチェックと修正の作業に 1ヶ月ちょいかかったかな。一時期は毎週のようにオペラ協会の事務所にこもって、ライブラリアンの 2人で黙々と作業をしていました。つらかった。そして事務所は寒かった。作業のストレス発散のために、2人でいろんな食べ物を持ち込んでガツガツ食っていました。体にも精神的にもよくない 1ヶ月だったと思います!!

今回はオーケストラピットに落ちての演奏でしたが、打楽器と管楽器が思いっきり対向配置なので、発音のタイミングが怖いのなんの。前の練習の記録に書きましたけど、ぱっと見は半拍くらいズレて聴こえちゃうのです。それは打楽器も管楽器もお互いにそう感じているんだけど、これだけ配置が離れているのがしょうがない。指揮の打点だけを信じて演奏するしかないのです。で、オペレッタ本編中もこれで相当気を遣ったんだけど、まさかの大罠がアンコールで待っていたのです。

アンコールでは、第3幕フィナーレの合唱を演奏したんだけど、大変ありがたいことにお客様の手拍子も入りました。すごくうれしい!うれしいんだけど、今度は「管楽器のビートに惑わされない」に加えて「お客様の手拍子にも惑わされちゃいけない」っていうミッションまで加わりました。これはすごい!自分の発音も、管楽器の発音も、お客様の手拍子も全部ズレて(聴こえ)ますwwwwww ある意味においては、このアンコール演奏が一番難しかったかも。大変良い体験ができました。

お友達もいっぱい観に来てくださっていて、本当にうれしかったです。みんな楽しんでもらえたかな。フランス語のしりとり(ルーブル!ル、ル、ルノアール!ル、ル、ル、え、ル……?)とか、豚の香りのする女優とか、なんかいろいろおかしかったですよね。あと、練習中に「にくのにおいがするぞ?」のところでオケメンバーがニヤニヤと俺のほうを見てたのは言うまでもないです。