最初に言っておくけど夢オチだから

僕は中学二年生。クラスの中に友達なんか一人もいない。だから文化祭の出し物の劇なんて、全然興味がないんだ。

でも、さすがに気が引けるから、文化祭本番の前日のリハーサルだけは出席したんだ。そしたら、劇の途中で流れが止まってしまい、クラスのみんなが冷たい目で僕のことを見る。

「次、あんたのセリフなんだけど」。クラスの女の子が冷たい声で言う。そんなの知らない。僕に出番があるなんて知らないし、役だってセリフだって知らない。どうやら僕は汚いネズミの役で少しだけセリフがあるようだ。渋々渡された台本を見てみると、全部ネズミ語のよくわからないセリフがある。どうせこんなの、クラスのみんなの嫌がらせでこの配役になったんだ。

僕には誰にも言えない裏の顔がある。それは、中学二年生ながら大人顔負けの捜査能力をもった、国家に認められた特別捜査官なんだ。これまでに、難事件を幾度となく解決してきた。クラスのみんなは、そんな僕の能力を妬んで僕を遠ざけているんだ。きっとそうだ。

でも、人に言えないもっと別の裏の顔もある。それは、どんな軽微な犯罪も許さず、捜査で見つけた犯人は必ずその場で極秘に処刑していること。

この文化祭のリハーサルの帰り道、リハーサルで冷たい言葉をかけた女の子がコンビニで万引きをした。僕はその許すまじき「犯人」を追い詰めた。銃口を向けられ、おびえきっている女の子。僕はその子に言葉をかけた。

「ねえ、いつも見下してた男にじわじわと追い詰められて殺される気持ちって、どんなの?」

……ってところで目が覚めましたけど、俺はたぶん何かの病気です。

「クラスでいじめられいる中二」「実は国家特別捜査官」「しかし別の人格は残忍な殺人者」、この設定で誰か漫画描いて!!