アウェー初戦

たまには週末指揮者っぽい話をしようじゃないか。

先月、とあるアマチュアオーケストラからお話をいただき、この日初顔合わせということで試し振りにお邪魔いたしました。楽団員のみなさまに俺の技量とか音楽性とかをみてもらって、最終的に採用かどうかを判断してもらう感じです。1時間半という時間の中で 4曲を指揮。短い時間内でうまく時間配分をしながら、4曲の合奏練習を進めていくのです。

1曲目は素直なテンポと拍子の曲だったので、挨拶代わりに「こういう棒振りですよー」的な感覚で演奏。2曲目は長めのメドレー曲だったので、拍子やテンポの変わり目を注意しつつ、このあたりから音楽表現の工夫を凝らしてみます。3曲目は変拍子が意地悪すぎる曲で、これもう完全に俺のこと試してるよね!?っていう選曲のように思えました。変拍子でつまづくのは大変恥ずかしいものなので、ここはもう必死の形相でなんとか完走。4曲目はラテンテイストの曲なので、ポップスに特化した指揮と演奏指導。……とまあ、いろいろバランスの取れた課題曲で、俺自身も相当楽しんで指揮できたように思います。(そして汗だく)

まったく初対面のオケで、そもそもどういう特長があるのかとか、どういう弱みがあるのかとか、そういうのもまったくわからないまま指揮台に上がるというのは、言葉では形容しがたい不安があるものです。それでも、楽団員のみなさんと指揮者が本気で音楽をぶつけ合い、ある意味においてバトルを始めることで、次第にお互いの音楽が共通項を探って近づいていくものです。こういうのって、急に体温がガッと上がるような錯覚があったりするものです(実際汗だくですけども)。

選考の結果、良いお返事がいただけるとうれしいのですけども。いずれにせよ、この日は大変良い経験ができたように思います。