のだめカンタービレ 最終楽章 後編

「俺が 3年前に指揮台に戻ってきたのは、ドラマ版のだめの千秋先輩を見たのがきっかけです」という存外ミーハーな動機を持っていた俺が、のだめの最後を見届けたのです。
ドラマ全体としても楽しいんだけど、やっぱりパリの町並みを見るのが楽しい!

のだめが子どもたちの前でベートーヴェンピアノソナタ「悲愴」を演奏するシーンは、千秋先輩が初めてのだめの演奏(同曲)を聴いたときの新鮮な驚きと対比させて観ると、味わい深いですね。あの頃よりもゆったりと深く、ベートーヴェンと対話をするように演奏するのだめの姿にじんわりきます。でも実際にピアノ演奏してるのはあのラン・ランです。

同様に、モーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ ニ長調」の千秋先輩との再演もすごくいい。跳んだり跳ねたり、のだめの奔放な演奏に、千秋先輩が本気を出して合わせてくる。このときの 2人の気持ちと音楽が完全にシンクロしている状況(の見せ方)は、感動しますね。でも実際にピアノ演奏してるのはあのラン・ランです。

や、あのね、一部ネットではラン・ランがすっかり「顔芸の人」みたいな印象になってるけど(気持ちはわかるけども!!)(すごく!!)、ランさんほんとすごいから!ざっくり言うと、のだめのプロ化。ランさんの演奏は、いつもガツンと魂に届きます。大好き。心の底から天才と呼べる音楽家の一人です。

ということでね、個人的に大変うれしかったのは、そのラン・ランのラヴェル「ピアノ協奏曲 ト長調」をじっくり聴けたこと。(映像では当然孫Rui 役の山田優が弾いている)
第1楽章の自由極まりない音の往来、サクッと突き刺さるビート感、終盤に向けてのエネルギーが溢れて抑えきれなくなるところ。ものすごいなー、ブラボーだー、とか思ってたら、映画の中でもほんとにブラボーで演奏終了。第1楽章だけで終わりかよwwwwwww 確かに第一楽章の終わり方は映画的にも映えるだろうけども!!
一応追加で説明しちゃいますが、第2楽章はびっくりするように優美で官能的なうっとりピアノが続き、第3楽章はどこまでもおどけた感じのかわらしくてピリッと締まった小品という感じがします。ラヴェルほどの大作曲家のピアノ協奏曲に番号がついていないのは、生涯をかけて結局これと「左手のためのピアノ協奏曲」しか作っていないからです。っていうか、協奏曲自体この 2曲しか書いてねえ!もったいねえ!

結局ラン・ランとラヴェルを褒め称える記事で終わってしまいましたが、のだめはたのしかったなーっとぼくはおもいました。(作文んんんん!?)(← あ、劇場版銀魂の予告もやってた!観なくちゃ!)