臨場 第10話 「最終章 渾身 〜 前編」


いよいよ臨場第2期最終章、「渾身」前後編ってことでどうすか。ゲッゲーロー。うううう寂しい。来年から 2クールやれ!
先に全体的な構造から言ってしまえば、この前編だけで事件の最重要参考人の名前まで行き着いてしまいました。てっきり後編でじっくり解決編をやるのかと思ったんだけど、とはいえこのままあっさり事件が解決するとも思えないのです。また来週、思いもよらない展開と人物が浮上するんだろうなー。

事件は、女子高生・美咲の飛び降り自殺から始まります。臨場要請を受けた検視官室の面々が現場に向かうのですけど、現場についてすぐに所轄の警察官が被害者の情報について話し始めます。最近こういう「倉石さん慣れ」していない警察官がいきなり被害者の情報を話し始めるシーンってドキドキする。「だめー!まだ倉石さんが被害者を拝んでないからだめー!」って思っちゃう、っていうか言っちゃう。で、今回も案の定「話は後だ!」って倉石さんに怒られます。えへへ。怒られてやーんの☆

早速検視のシーンなのですけど、相変わらず死体の状態がリアルで、いまさらながら肉料理を食いながら見るドラマじゃないなって思いました。(でもとんかつおいしいー) 今回の検視は、小坂さんが仕切って永嶋くんが記録係。倉石さんの DNA がこの 2人にも確実に受け継がれていっている印象的な検視でした。

小坂「左上肢に辺縁性出血。つまり、墜落の衝撃で折れた骨が浮き出るようになり、その周囲が内出血している


小坂「両大腿部、両下肢ともに辺縁性出血」
永嶋「つまり、両足とも衝撃による骨折

ンマー、二人とも視聴者にやさしい解説を!!

検視を終えて戻ってきた検視官室に、まさかの絵梨華さんからの連絡。第1話・第2話で登場した、谷本検視官の娘。今回の話は、主に倉石さんのルーツを再度辿るかのような構成と演出がされています。倉石さんが谷本検視官の元で検視官心得になって初めて検視した事件、それが永嶋くんのお父さんの殺害事件であり、それは谷本さんも倉石さんも根こそぎ拾うことができず、時効を迎えてしまった悔しい事件でもあったのです。

その翌日、美咲の父・皆川修二が同じマンションで墜落死体で発見されます。検視の内容を細かく聞いていると、飛び降りの死体って相当ひどい状態になるのですね。耳から血が出るし、腕とか肋骨とか全部折れるし、指先も爪がぱっくり割れたり、腕も足も内出血が酷い。ううううう、俺が死ぬときは穏やかに病死したいよー。

しかし修二の死については、他殺であると見立てる倉石さん。すぐに捜査一課が呼ばれるのですが、まーたイチが「自分、検視畑っすから!」みたいなアピールでしゃしゃり出て、現場マンションの手すりを凝視。そして倉石さんに「イチ、邪魔」と言われてションボリ。たまらんなー。なんでこんなやりとりが 1クールで終わっちゃうんだ、何度も言うけども!

さて、事件がいよいよドロドロしてくるのは、皆川宅を捜索していたときに見つかった腕時計が、永嶋くんの殺されたお父さんのものだったことが判明してからです。16年前の事件と検視のシーンが回想されるのですが、その中の若い倉石さんのセリフにぐっときたのです。

倉石「ホシは煙草を吸う人物……ですか?

倉石さんの敬語、初めて聞いたかも!!この頃は上長に対して素直だったんだね!今の倉石さんは、同僚にも上長にも市民に対してもタメ口だからね。すごいよね。

結局その16年前の事件、犯人は死んだ皆川修二だったことがわかります。倉石さんも永嶋くんもこれはやりきれないなー。これについて永嶋くんはタッチーに呼び出され、「私情は挟むな」と釘を刺されます。でも俺は知っている。この呼び出された部屋、以前右京さんが勝手な捜査で訪れた企業の会議室です。「杉下さん、もう帰ってくれませんか。仕事があるのでね」 → 「お忙しいところ申し訳ありません。あ、最後にもうひとつだけ」 → 「なんですかもうっ!」みたいなやりとりのあった部屋です。うふふー。東映のスタジオなんだろうなーこれ。うふふー(ほんと気持ち悪いなこの刑事ドラマ好き)

相棒ついでに話しておくと、このあと16年前の事件について記者会見した五代刑事部長はご立派。どこぞの内村刑事部長(正月は孫と餅つき)なんか、会見は基本的に中園参事官(旅費は出ない)(旅費は出す)任せだからね。

さて、永嶋くんは16年前の事件と家庭の状況の説明のために、小坂さんを実家に案内します。実家での回想シーンで、チーマーだった頃の永嶋くんが登場するのですけど、

父「なんだその格好は」

ほんと、なんだよこの格好wwwwwwww

大人になった永嶋くんがこの頃を振り返るのですけど、本当はお父さんの心配する気持ちもわかってて、警察官になって事件の解明を目指したことなど、小坂さんにポツポツと話し始めます。小坂さんは、倉石さんはこの事件のことで永嶋くんのことをずっと気にかけていて、警察官になったことを知って自分の手元に置いて面倒をみようとしているのではないかと永嶋くんに説明します。でも、永嶋くんは「大きなお世話です」「もう終わったことです」だとしてそれを一蹴。時効を迎えたいま、自分にはどうしようもないことだと。そこへ登場するのが倉石さん。なんでいるの!!どうみても 3人で一緒に永嶋宅に来たとも思えない状況(小坂さんの驚き方でわかる)なんだけども!!倉石さんは小坂さんたちの話を聞いていたようで、「勘違いすんな。俺はお前のためにこのヤマを追ってるわけじゃねえ。根こそぎ拾うため……ただそれだけだ」と言います。ここでいう「勘違いすんな」は、いわゆる「か、勘違いしないでよね!!」的なツンデレーションではなく、たぶん倉石さんは本気でこう言ってるんだと思う。倉石さんは、永嶋くんに同情しているから検視官室に引き込んだのではなく、おそらく永嶋くん自身の手で事件の解明をさせたくて、あきらめずに根こそぎ拾うことを教えたかったのでしょう。その直後のつかみ合いの喧嘩でも、それが見てとれます。16年前にも同じように永嶋青年を殴った倉石検視官心得。そのときと倉石さんの気持ちはまるでかわらない。今も静かにこの事件を追っているのです。そういう姿を、言葉じゃなくて拳で語ったのですなー。かっこいいなー。ま、普通は部下や市民を殴ったら大問題ですけども。反撃しようとつかみかかった永嶋くん(そりゃそうだ)ですが、倉石さんの目を見て、倉石さんの意思のすべてを悟ります。何も語らないけど、永嶋くんの目からつつーっと涙が。この人ほんといい演技する、このチオビタ野郎め……!




そして、その足で 3人で向かった事件現場では、もうすっかり永嶋くんと意気投合の様子。

倉石「じゃあ白紫陽花……あたってみっか」
永嶋「はいっ!」(キリッ)

なんだよもうー。もうちょい喧嘩してろよー。しょうがないなあもうー。大好きこいつら。

えーっと、眠くなってきたのでそれ以後の感想は省略しますが、とにかく永嶋くんが最後まで自分の力で16年前の事件に決着をつけることができるのかどうか、また、倉石さんも16年越しの思いを根こそぎ拾うことができるのか、大変気になる後編がいよいよ最終回。小坂さんもしっかり!

なお、次回は永嶋くんが何かとんでもない失態を犯すようですが、公式サイトの予告動画だと、少しその辺が詳しくわかります。楽しみ。