Distant Worlds music from FINAL FANTASY Returning home

FINAL FANTASY シリーズの公式のオーケストラコンサート、実に「VOICES」以来 4年ぶりです。

今だから正直に言いますけど、「VOICES」のときの演奏があの、なんというか、ほんとあの、ひどくてね! いや、まあ、しょうがないんですよ、本番前日に集まっただけのオーケストラでしたしね。それぞれはプロでご活躍のプレイヤーのみなさまなのでそつなくこなすものの、どうしても合奏体としては不完全なまま本番を迎えてしまったという。

しかし今回の演奏は神奈川フィルハーモニー管弦楽団ですから、合奏体としての心配はないであろうという安心感をもって行ってきました。

セットリストはこちら。

【 第1部 】
1. 片翼の天使 (VII)
2. 勝利のファンファーレ
3. Don't be Afraid (VIII)
4. FINAL FANTASY メドレー2010 (I 〜 III)
5. Love Grows (VIII)
6. Ronfaure (XI)
7. J-E-N-O-V-A (VII)
8. 親愛なる友へ (V)
9. Vamo' alla flamenco (IX)
10. エアリスのテーマ (VII)
11. チョコボメドレー 2010

【 第2部 】
12. オープニング 〜 爆破ミッション (VII)
13. ザナルカンドにて (X)
14. 妖星乱舞 (VI)
15. 閃光 (XIII)
16. ファングのテーマ
17. ドレッドノート大爆進! (XIII)
18. ファブラ・ノヴァ・クリスタリス (XIII)
19. ブレイズエッジ (XIII)
20. The Man with the Machine Gun (VIII)
21. ティナのテーマ (VI)

【 アンコール 】
22. ビッグブリッヂの死闘 (V)


演奏中、ステージ背面にそのゲームの映像を流す演出がされていました。当時の雰囲気を思い出させるには最適な演出だと思うのですけど、ソリストが登場する曲でこれをやってしまうと、みんな画面に注目しちゃってソリストに注目しないんじゃないかなこれ。っていうか俺はそうだった。うっかりゲーム画面に夢中になっちゃった。ソリストのみなさんは大変素晴らしい演奏をしてくださったので、ちゃんとソリストに注意を向けさせるコントロールも必要なんじゃないかと思いました。
あと、今回はとにかくアーニーさんがしゃべるしゃべる!「please welcome!」 連呼でした。

さて、てっきり「片翼の天使」(セフィロス)はアンコール用に取っておくのかと思ったら、冒頭で出しやがった!でも、演奏がやけに小さくまとまりすぎていて、あまりこの曲の良さが出ていないように思いました。とにかく演奏も合唱もコンパクトだったのです。冒頭だからあえてテンションを抑えたのかも知れないけど、ほんとはもっとスケールのでかい演奏にすればいいのになーって思ったり。ホールのせいもあんのかな。あと、合唱は「セフィロ」って言うなー!ラテン語台無し!

「勝利のテーマ」はアルバム通りの数秒バージョン。てっきりロングバージョンとか用意してると思ったのに!そういう遊び心を見せたあと、FFVIII の通常戦闘音楽「Don't be Afraid」へ。この曲も FFVIII のプレイ画面を映しながらの演奏だったので会場は盛り上がったのですけど、いかんせん演奏がアレです。テンポが定まらないうえに、音楽が前進してないんだよね。スピード感や緊張感もないし。大事な曲でこういうことされると興が醒めてしまうなーとか思ってたら、ついに最後でシンバルが豪快にフライングしたwwwww なんでだろう、アーニーさんの棒が良くないのかな。各パートへの指示はきっちりすぎるくらいやっていらっしゃるのだけど、ある意味においてはその「はい、ここであなたの出番ですよ」的な指示はしているものの、オーケストラにとっては、全体のテンポ感とか統率とか、そういう意味における指揮ではなかったのかも知れませんね。偉そうに言える立場でも全然ないのですけど、率直にそんな印象を受けました。

でもその後は徐々にアンサンブルも良くなってきまして、普通に楽しんで聴けましたよー。

「メドレー2010」「チョコボメドレー 2010」は、以前のアルバムに収録されていた「メドレー2002」「Swing de Chocobo!」を改定したもの。これも改めてアルバムで聴きたいなー。チョコボメドレーのほうはおそらくまたアーニーさんのアレンジだと思いますが、やっぱりすごく楽しい。これ自分でも演奏したいもの。

「Love Grows」「親愛なる友へ」「Vamo' alla flamenco」は、ソリストを迎えての演奏。とっても素敵でした。特にベンヤミン・ヌスさんのピアノ音がとても柔らかで、ときにビビッドで、すっかり聴き入ってしまいました。メン・フェン・スーさんのギターも、「親愛なる友へ」の演奏が特に素晴らしかったです。音の粒が瑞々しくて、もっと長く静かに聴いていたくなるような演奏でした。

あと、やっぱ「Ronfaure」いいね!サンドリア王国とかエルヴァーンとか、キャラ的にちょっといけすかないけどね!(俺は卑屈なタルタルだった) 緑豊かな自然の豊かさとエルヴァーンの気高さがよく表現されている良いアレンジです。XI は名曲揃いだから、もっともっとオーケストラ版が出ていいと思うのです。

第2部での注目は、やっぱり「妖星乱舞」と XIII の楽曲群。

妖星乱舞」はオルガニストを迎えての演奏で、大変迫力のある演奏でした。画面では DISSIDIA FINAL FANTASYケフカ VS ティナの模様が!うおおおおお!ケフカ……ケフカかわいいなおいwwwwww 演奏の最後でケフカが勝利を収めるのですが、勝っちゃダメだろう!!

XIII は 5曲も演奏してくだすった。浜渦さんサウンドはやっぱりオーケストラにはすごく合う!
そしてベンヤミン・ヌスさんの「ドレッドノート大爆進!」がすごく素敵!音の膨らまし方がすごくいい!心がふわっとします。

コンサートの最後は意外にも「ティナのテーマ」。画面では、ティナがビッグスとウェッジに連れられてナルシェに侵攻に行くシーンをうまいこと加工して、植松さんや浜渦さん、そして演奏者の名前を表示するというゲームのエンディング風の演出があったのもよかったです。

アンコールはね、もうね、こんなの隠してたのずるいよ!っていうね。そういう見事な選曲でした。早く 3枚目のアルバムに収録して出して!

次にやるのはまた4年くらい後なのかなー。もっと短いスパンでどんどんやってくれていいのにー。

Distant Worlds music from FINAL FANTASY

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Distant WorldsII:more music from FINAL FANTASY

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